私は新卒で不動産会社に入りましたが、1年で辞めエンジニアになるため学習を始めました。その時に多方面からこのような声を聞きました。
「未経験ならまずはSES企業に入って実務経験を積むのが普通。逆にそれ以外は相当難しいよ」
これ私は真っ赤な嘘だと思います。今回はこの議題について私なりの考えを書いていきます。
そもそもSESって何？
SESとはSystem Engineering Serviceの略称で、お客さんに労働力を提供し、その対価としてお金をいただくといった契約形態のことをいいます。
例えばA社でBという車内で使うアプリケーションを作るとして、A社のエンジニアが作っていくとします。例えばこの時に人手が足らなくなった時にSESサービスを行なっている会社と契約をし、エンジニアさんを派遣してもらいアプリケーションを作成していくといったようなものですね。SESでは労働力を提供するので、成果物などは必要ありません。
未経験エンジニアはなぜSESの選択肢が勧められる？
未経験エンジニアがSESという選択肢を勧められる理由としては、「開発経験を積めるから」というのがよく言われています。
これは経験者とセットで未経験エンジニアを派遣し、そこで開発経験を積むといったものです。
これが現実で成り立っているなら私は未経験エンジニアがSESに行くことは反対しません。しかし現実ではもうこの構図は成立しなくなっています。
今世界中で新型コロナウイルスが蔓延しています。それにより業績が上がった企業もあると思いますが、旅行業や飲食業などは充分な補償なども受けられず、大変経営が厳しくなっていますよね。また新型コロナウイルスに関係なく日本社会はここ20年不景気が続いており、日本はどんどん貧乏になっていっています。
さてこのように経営が厳しい企業が経験者と未経験者をセットで派遣したいと言われてうなずくと思いますか？
未経験者というのは基本的に何の役にも立ちません。むしろ経験者の足を引っ張ることも考えられます。未経験者の開発経験を積ませたいと言われても、「そんなことはおたくの会社でやってください。経験者だけ来てください。」となるのは目に見えていますね。
未経験エンジニアがSESに入った場合
では開発経験がないエンジニアを受け入れる企業は何を期待して未経験エンジニアの派遣を許されるにでしょう？
これは簡単です。誰でもできる簡単な仕事です。テスターなど多少他人が作ったコードが読めるようなところならまだマシですが、場所によってはデータ入力、電話番、挙げ句の果てには家電量販店や携帯電話ショップなどの販売員などをさせられたケースがあります。これってエンジニアの仕事だと思いますか？
今は未経験エンジニアが飽和しており、しっかり勉強しないとエンジニアへの転職は難しいです。それだけ勉強して携帯電話の販売などをやることになる、これはあまりにもかわいそうです。
人材会社やSES会社は売れればどこでも良い?
未経験者を派遣することによってSES会社は儲かります。その人がどんな職場でどんな仕事をしていようが正直関係ないです。もちろんエンジニアを大切にするSES企業もたくさんあると思います。ただ実際に実務経験を積むどころか無駄な時間を過ごさせるようなSES企業というのも残念ながら存在します。
またSES企業に人材会社からの紹介で入社した場合、人材会社にはあなたの年収の３０%ほどが入ります。人材会社としてはその人が開発経験を積めるかを考えるより、どうやったら早く売れるかを考えます。そしてSES企業を紹介します。これはプログラミングスクールの転職支援も一緒です。
言い方は悪いのですが、社会は未経験者に実務経験を積ませてあげようなど優しくはないです。
自社開発企業や受託開発企業を目指す
ではどうするべきか。自社開発企業や受託開発企業を目指しましょう。
SES企業に比べ入社難易度は比べ物にならないくらい高いと思います。しっかりとした独自のポートフォリオも必要ですし、面接対策などもしっかりやる必要があると思います。
ですがSES企業に入って人生を無駄にするかもしれない危険性に比べれば遥かに安全に生きていくことができます。
また私個人が考えるに、未経験者で特にやりたいことがない人は受託開発企業に行くのが吉かなと思います。いろいろな案件に参画していろいろな経験も積めるので。経験を積むことによってやりたいことが見えてくる場合もありますし！
まとめ
SES企業について少し厳しい言葉で書かせていただきました。もちろん社員の成長を考えて現場を選んでくれるようなSES企業もあると思います。ただその逆に社員を駒としてしか見ないSES企業だってあるのです。残念ですが。
入社してからではもう遅いです。今後未経験者が最低なSES企業に騙されませんように祈ります。以上です。